不動産の相続における司法書士の役割
不動産を含む相続の手続きに関して、司法書士は法律の専門家として重要な役割を担っています。
この役割とは具体的何なのか、どのようなことを依頼できるのか、当記事では司法書士の役割に焦点を当てて説明していきます。
司法書士に対応できる業務の範囲
司法書士は、司法書士法に基づいて、登記業務を中心とするさまざまな法的手続きのサポートができます。
特に不動産登記に関して全面的に対応できるのは司法書士だけであり、これは独占業務として法律で定められています。
なお認定司法書士であれば140万円以下の紛争について代理人となることができますが、基本的には紛争が生じている問題には対処できません。
そのため司法書士にできるのは中立的な立場からの支援に留まりますが、それ以外の多くのシチュエーションでは広く相続手続きをサポートすることができます。
不動産相続における役割
土地や建物が遺産に含まれる場合の相続では相続登記が欠かせません。
2024年4月からは登記申請を行うことが相続人の義務となりましたし、この義務を果たすためにも司法書士が大きな役割を担います。
また、相続登記を行う前段階では遺産分割協議が必要で、そのためには遺産や相続人の調査もできていなければなりません。それらの手続きにおいても司法書士であればサポートすることができます。
そこで、不動産の相続における司法書士の役割は次のようにまとめることができます。
司法書士の主な役割 | |
①相続登記を代理で申請すること | 被相続人名義の不動産を相続人名義に変更するための手続きを代理で遂行する。そのための申請書作成や、添付書類の作成・収集などに対応する。 |
②遺産分割協議をサポートすること | 相続登記をするには遺産分割協議(または遺言)により所有者を確定させなければならない。そのための協議へのアドバイスや、遺産分割協議書の作成などに対応する。 |
③相続関係の調査を行うこと | 遺産分割を行うには、分割の対象となる遺産を明らかにする必要があり、さらに協議に参加する相続人等も調査しなければならない。司法書士はそのための作業に対応する。 |